「翔、で、陸上部はどうだったの?」
帰り道、気になってた翔の陸上部のこと聞いてみた。
一番知りたかったのは、翔が百地と何を話してたかってことだけど。
「うん、一年は十五人くらいかな。
全体練習は火木の午後、あと毎日、朝、自主練あるって」
「あたしのことは気にしないで、朝練出なよね、翔」
あたしはすかさずそう言った。
だって、毎朝迎えに来てくれる翔のことだから、きっと気にしてると思ったんだ。
「朝練は、百地と交代で出ることにした」
「……」
「月水金は俺、火木は百地。
で、月水金は俺の代わりに百地が朝、夢子を迎えに行ってくれるって」
「それってどういうこと?」
「そういうこと。
だって、百地、夢子のナイト買って出た訳だし、未来の夢子の王子様だろ?」
あたしは驚きのあまり、言葉を失った。