それから程なくして、百地はあたし達のところへ帰ってきた。
「心配してたんですよ、どうしたのかなって。
特に夢子がね。もう食事も喉を通らないくらい……」
と、ユタが真面目な顔で百地に語った。
「そうだな、夢子、何だか痩せた」
「だ、だいじょうぶだよ。
また、直ぐ、ぽっちゃりになるし……」
あたしは、何だか恥ずかしくて、まともに百地の顔を見られない。
『夢子、ちゃんと俺を見て…』
心に届く百地の声に、あたしはもう耐えられなくなって席を立つ。
行くあてもなく、教室から飛び出した。
「夢子!」
後ろからは、百地とユタと翔の呼び止める大きな声が響いていた。
だって、そこにはいられない。
もう、普通の顔して、百地の隣りには居られない。