正月三日が開けると、心波と知波、忍の三人は山に篭った。
知波さんは、自らの経験を忍に伝えるため、仕事を休んで、山篭り初心者の忍の指導役を買って出たらしい。
休み明け、八日を過ぎても百地からの連絡はなく、翔のおじ様からの聞き伝えで、百地はあと一週間学校を休んで修行を続行することになったと知った。
「翔、まさかこのまま百地が修行に入るってことはないよね?」
あたしは不安な気持ちを翔にぶつけていた。
「多分な。まだ準備が整ってないって、じいちゃん言ってたと思う」
百地を欠いた、学校生活がスタートした。
あたしは何だか落ち着かない。