「さぁ、入学式だ! 出席番号順に廊下に並べ!」
担任の掛け声で、みんなが廊下にゾロゾロと並んだ。
あたしは百地の姿を必死に探すけど、背が低いから背中しか見えない。
「行くぞ!」
列が動きだした。
並んで歩くって、歩きにくいよね……
階段付近で他の組の列と交錯して、あたしは前の子を見失った。
えっと、あたしの前の子は……
ひぇ……
キョロキョロしてたら、階段を踏み外しそうになった。
「タナカ、ちゃんと前見て歩けよ!」
腕を掴まれ、恐る恐る振り向くと……
げっ、百地?!
掴まれた腕の痛さより、あたしの驚きが勝っていた。
何で百地があたしの名前知ってるの?