わざわざ聞かなくても大丈夫、だ。

 握った手の力を強めた。

 握り返してくれる美華。

 うん…大丈夫だ。







 ペンギンのお食事タイム?が終わって次はイルカショーを見に行く。

 これも大はしゃぎで見ていた。

 ほんっと動物好きだよな…。


「斗真、見て!可愛いっ」

「おー可愛いな」


 うん、お前のが可愛いぞ。

 言っても聞こえなさそうだから心の中で呟く。


『誰かエサをあげてくれる人はいませんかー?』

「…っ!」


 勢いよく俺を見てくる美華。

 …は、もしかしてやりたいのか?

 お前目立つの嫌いじゃねぇの?


「…やってくれば?」

「うんっ!はい、やりたいです!」

『はい、じゃあそこの黄色いコートを着たお姉さん!
 こちらへどうぞー』

「行ってくるね!」

「おー…いってら」


 ほんとにあいつ行ったし…。

 今日、行動力あるなぁ。

 ケータイで撮っといてやろう。

 ステージに上がったところでケータイを出した。

 俺のケータイ画質良くて助かった。