うん…いい主婦になりそうだ。

 家に帰ったらおかえりなさいって出迎えてくれて…

 …て、何考えてんだ俺!

 妄想しすぎだろ…!


「斗真、どうかした?」

「いや…ペンギンのお食事タイム?見るんだろ?
 早く行かないと始まるぜ」

「あっ…急がなきゃ!」


 手を引きながら小走りで進む美華。

 よし…誤魔化せた。

 小さな背中を見る。

 いつか…本当に、夫婦になれたら

 俺たちはどれくらい幸せなんだろう。

 とりあえず卒業したら…同棲とかだな。

 それだって朝起きたら美華が居て、一緒に朝飯食って

 夜寝るときも美華と一緒なんだ。

 んで専門学校卒業したら結婚してさ…。

 そこまで考えて、なんだか胸がモヤモヤした。

 嫉妬…じゃねぇし。

 なんなんだ?この気持ち。

 あの頃の焦燥感に似ている気がした。


「斗真、どうかした?」

「…いや、なんでもねぇよ」

「そう?言いたくなったら言ってね」


 なあ…美華。

 俺たち、ずっと一緒だよな?

 確かめたかったけどやめた。