俺のために作ってくれたとか…嬉しすぎる。
「さんきゅー…!」
「どういたしまして。
なんだか恥ずかしいな…」
「食っていいか?」
「うん、もちろん」
手を合わせていただきますと呟く。
海苔が巻かれた三角おにぎりに手を伸ばした。
あ…俺、鮭以外好きじゃねぇんだけど大丈夫か?
一口食べる。
「……」
「鮭にしたんだけど…大丈夫だった?」
「……うまい」
「本当!?よかったぁ…」
中には俺の好きな鮭フレークが入っていた。
やば、この塩加減といい具の位置といい…不器用だとは思えねぇ。
形はちょっと微妙だけどな。
そう思っていたら次に手を伸ばしたおにぎりは少ししょっぱかった。
うん…まあご愛嬌だな。
ウインナーはタコになっていた。
「…お前も食えよ」
「うんっ」
それからゆっくりと美華の手料理を堪能した。
もちろん残り物はゼロ。
「――美味かった、ご馳走さまでした」
「えへへ…お粗末さまでした」
いそいそと片付ける美華。