「おはよー」

「あ、紗綾おはよー」
そう言って舞子は近づいてくる。

「ねぇ舞子、この騒ぎは何?席に着けないんだけど…」

「あーなんかね、転校生の裕人君いるじゃん?裕人君モテちゃってクラスの女子の注目の的になっちゃって裕人君の机の周りにみんないるの」

「ふーん…」
あいつ…モテるんだ…


話しを聞いているとみんな“裕人君”って言ってる…呼び捨ては私だけ!?
最悪…女子に睨まれるじゃんか…


「あ、紗綾おはよー」
裕人は私に気づいたようで手を振っている。


…あーあ…私、女子に睨まれちゃってるし…
なんで振るかな…

「…おはよ」



――キーンコーンカーンコーン――
チャイムが鳴った。みんな急いで席に戻った。

私も急いで席に着いた。