最後のトーナメントに行けるメンバーが発表されるまであと3日。

もし3年生の中で、これに選ばれなければ、もうそこで引退になる。




部室の片付けで帰りが遅くなって、外はもう真っ暗。
ふと通りかかった公園で、ボールを蹴る音が聞こえた。

木の陰から覗くと、それは彼だった。
制服のまま、荷物をベンチに置いて。


学校まで電車で来てるはずなのに…



「さっきマッサージしてあげたのに、何やってんの。」


呆れた私は、彼に声をかけた。


「ホントに壊しちゃうよ?」

真剣に言った私に、彼は苦笑いで答えた。



「わかってる。でも時間がないから。」




いつもの会話。

わかってたけど、聞いてさらに呆れた。


いつもはこれで終わりだったのに、彼は突然こんなことを聞いてきた。




「おまえは進路どーすんの?」