先制点をとられるには早すぎる時間。

相手のベンチは大きな歓声に包まれてた。



ビクッ



チームメイトに囲まれたアイツが私を見ていた。

そして、アイツが視線を逸らした先は…



彼だった。



2人で数秒間、睨み合ったあと、どちらからともなく視線を逸らした。




試合が再開して5分後。

うちのチームが相手のゴール前でファールをもらい、フリーキックを得た。


そして、蹴る選手はJリーグからもオファーが来てる、うちのエース。




ピーー


彼が直接ゴールを狙ったボールは…

無情にもバーに跳ね返されてしまった。


そしてズルズルと試合が進んでいく。
いちものペースがつかめないチームは、守ることで精一杯だった。



そして流れを掴みきれないまま、前半40分。


ディフェンスの裏へ走り出た選手にアイツが綺麗なクロスを上げた。


そして、そのボールもネットの中へ…





完全に相手のペースになってしまった。