「や、止めてくれ」

ヒトガタが口を開いた。

「もう人を襲わないならリルスの玉は使わない」

「お、襲わない」

スワローはリルスの玉を懐にしまった。

「あなたは何で死んだの?」

ローズはヒトガタに聞く。

「話は長いんだが、聞いてくれるかい?」

「聞くわ。さあ、話して」

ローズは腰を下ろしてあぐらをかいた。

「あっ、火を起こすのは止めてくれないか?苦手なんでね」

スワローは枯れ木に火打ち石を近づけるのを止めた。

「そもそもの始まりはドワーフが俺たちの湖の下にトンネルを掘ったことなんだ」