第六感が叫んでる。逃げろ! 奴は危険だ、逃げろ! と。
だけどなぜだ。なんで体が動かない。
大翔の時は躊躇なく繰り出された黄金の右腕(不発)が、銅像のように固く固定されている。
まさに、蛇に睨まれた蛙。
あの時のカエルちゃんの呪縛が、たった今発動したのか?
お願いカエルちゃん。
地球の一員である君の尊い命を奪ったことなら謝るから。
全力で謝罪しますから。
大翔に頼んで、ザオリクを唱えてもらうから。
なんならレイズでもいいから、体の一部を動かしてちょんまげ。
「やっぱ、どこかで会ったような」
マジマジと舐め回すように全身を眺める。