ちょっとばかし文句をいってやろう。


大翔から支給されたパジャマを脱いで制服に着替え、リビングへ移動する。


「おいこら大……翔?」


そこにいたのは大翔と、黒いワンピースを身にまとった小さな女の子だった。


「おはようお姉ちゃん」


「おはようございます光さん」


「え、あ、おはよう」


誰だこの子?


どうやら女の子は俺の事を知っているようだが、俺はまったくの初対面。


背丈も黒髪も大翔とほとんど変わらず、普通なら妹と考えるのが妥当なのだろうが、先日このマンションの一室を隅から隅まで詮索したが、大翔以外の人の気配や生活用品など見つからなかった。


この子、何者だ……?


「それじゃあ、私はそろそろ帰らせてもらうわね」