おのれ手下の分際で、俺の至福の時を邪魔しやがって。


渋々席に着きながらも、瞳はリアル宮崎だけを捉えている。


とても五十代とは思えぬ、きめ細かい肌。


顔のパーツパーツがどれも一級品で、この人が作った映画のように完成度が高い。


つまり、美人。惚れちゃいます。


綺麗に染まったオレンジに近い茶色髪を耳にかける仕草なんか、妖艶すぎて妖怪みたいっス。


映画妖怪・リアル宮崎。


三流映画のようなタイトルが脳に上映された。


この人、監督じゃなくて女優でも絶対やっていけるのに。もったいない。


「それではまず、お名前の方を」


……喋った?


しゃしゃしゃしゃ喋ったよ! 監督が俺の名前を尋ねてるよ!