「エントリーNo.59光さん。二次審査を始めます」


やってきました俺の番。


まーったくやる気はないしタレントになる気はないけど、やっぱり面接は緊張する。


ま、どうせ落ちるんだ。大翔も二次審査からは魔法は使わないって言ってたし。


気楽にいこうぜと鼓舞して、審査が行われる隣の別室へ移動した。


「失礼します」


二回ドアをノックして、ドアノブを捻る。


扉の先に待っていたのは――






み、宮崎駿子監督!?(みやざきはやこ)


世界中の映画祭を渡り歩き、アカデミー賞にも輝いた世界に誇る映画監督。


日本人どころか世界でその名を知らない者はいない、超が五つくらいついても足りないくらいな著名人が俺に向かって微笑んでいる。