甘やかして育てられたから、理想と現実の境目が分からないのだ。


だから近頃、痛い子が増えてるんだな。うん。
※光の勝手な思い込みです。


「大翔君。理想だけじゃビーフストロガノフは食べれないんだよ」


膝を曲げて目線を合わせる。


下手に刺激したら、奴はかならず魔法を使ってなんとかしちまう。


これ以上の魔力の消費は非常に痛い。痛すぎる。


怒鳴った所で逆効果。ここ数日で大翔の性格は全て把握しているから奴の行動パターンは分かる。


要するに、あいつはガキなのだ。


駄目と言われると、余計に気になってやらかしてしまう普通のガキ。


ここは促すように柔らかい声色で接するのが一番効果的だ。


「なんでもかんでも魔法で解決しようとしたら、ろくな大人になれないぞ?」


諭すような声色。だが、大翔の顔が強張った。