笑顔で脅す。目には一切の笑みはない。
今ここに、絶滅危惧種の絶滅が確定した。
大翔が俺に目配せする。
「今からこの虫けら共を駆除するから、加奈子さんの目を塞いでて」という大翔の声が、頭の中で直接響く。
肩身の狭い俺に拒否権などあるはずがないので、取り巻きから逃げ出し俺の元に駆け寄ってきた加奈子ちゃんの目を両手で塞いだ。
驚く加奈子ちゃん。後でうまい言い訳を考えとくから、ちょっとだけ我慢してね。
あ、加奈子ちゃんと今触れ合ってる。
やば、嬉しす。
「なんだよこのガキ。いちいち癪に障ること言ってんじゃねーよ」
「お姉ちゃんのために現れた小さなヒーローってか? 頼もしいねぇ」
「僕ちゃんはお家に帰って、ママのおっぱいでも吸ってなちゃい」
「どんなマジック使ったか分からねえが、ボスの敵は取らせてもらうぜ」