加奈子ちゃんを、不良共を倒せる力があれば。
力が欲しい。一時だけでも、俺に力を!
「残念だけど、少年漫画みたく『ピンチになって主人公が覚醒』なんて展開にはならないよ」
目の前にいたリーダー格の身体が、地に着いた。
原因はもちろんあいつ。
絶対に来るなっていったのに、あのド畜生が!
「なんで大翔がここにいんだよ!」
「助けにきてあげたんだから感謝してよね。まあでも、まずは……」
大翔は加奈子ちゃんを取り囲んでいる残りの不良に顔を向ける。
「僕の大事なお姉ちゃんに、貴様らはなにをしようとしてたのかな?」