「あ!? あんな所にUMAがいる!」


完璧な作戦。これで不良達は俺が指さした先を見つめ、その隙にカフェへ逃げ込み助けを求めるという理想的で現実的なプラン。


だったのに、


「ユーマだかなんだか意味不明なこと言ってんじゃねー!」


こいつらアホだったぁぁぁ!


考えれば不良がUMAなんて単語を知っているわけがない。


怒ったリーダー格は、俺の腕を引いて近くに止めてある車(おそらく不良達の者だろう)に連れ込もうとしやがる。


抵抗するが焼け石に水。ズリズリと引きずられるだけ。


取り巻きは下品な笑みを浮かべ、加奈子ちゃんにも手を出そうと距離を縮める。


やばい。俺だけならまだしも、加奈子ちゃんがあんな絶滅危惧種の餌になるなんて許してはならない。


……もっと俺に力があれば。