前後の行動から察するに、きっと「うまい」と言いたかったのだろう。
加奈子ちゃん言語は解読に時間を要するけど、それを除けば穏やかなティータイムがゆったりと過ぎていく。
時が遅く感じる。至福の時とはまさにこのことか。
「あの、今度靴を見に行かない? これまた推薦の履き物店がある。改行行わ!」
「靴か〜。いいね、行く行く!」
こうして加奈子ちゃんがリードしてくれるから、俺はなんにも心配いらない。
多分加奈子ちゃんは転校したばかりの俺を気遣って、こうして色々な場所に誘ってくれてるのだろう。
さりげない加奈子ちゃんの優しさが胸を打つ。
ほんともう、結婚してください。俺の嫁にきてください。
お会計を済まして外に出る。
つい浮かれて店から飛び出したのがいけなかった。
「うぎゃっ!?」