「うん、うまい」
「一人暮らしだからつい手を抜いちゃうんだけどね」
晩御飯のメニューは鮭のムニエルとコーンスープだった。
「食べてくれる人がいると作りがいがある」
「じゃあ、また食べにくるよ」
「じゃあ、また頑張らないと」
ゆきなは少し微笑んで、グラスにワインを注いだ。
ふとテレビを見ると少し古いラブコメディ映画が流れていた。
「ユウスケさんみたいな人が彼氏だったら良かったのにな」
テレビを眺めながらゆきなが呟いた。
「え?」
「あと5歳上だったらな」
ゆきなには僕の声は届いていないようだった。
僕はその時ゆきなの言葉の意味がわからずにいた。