誘えよ!巧さんが食い下がったと時、僕のケータイにメールが入った。

From  ゆきな

友達は大丈夫だった?
今から帰る所。
なんか、私の友達これから彼氏と花火だって!
羨ましい!私も花火したい!
今度しよう。

2人で花火ってのも悪く無いな。
「巧さん、やっぱ彼女とは2人で花火する」
「えー!そんなんつまらないって」
ケータイのディスプレイを眺めながら、僕は自然と歩く速度が上がっていた。
「おい、待てって! あっ、あれギンだ!」
前方にはギンが手を振っていた。
「あの野郎!」
巧さんはギンに罵声を浴びせながら走っていった。
駐車場からは、ヒュンと言うロケット花火の音と何人かの笑い声が聞こえて来た。