「千恵、Club行かん?」
「先輩、Club興味あんの?
あんま楽しいとこじゃないけど。」
「違ぇよ。
俺ん家の煙草臭さ、半端ねぇし。」
弘樹先輩の家は、集まり場所。
2LDKのアパートの中に
何人もの人がごった返していた。
「もう手遅れなんじゃない?
…ま、いいけどさ。皆で行こっか。」
弘樹先輩はここらのヤンキーのTOP。
絡めること自体、
奇跡に近い…らしいけど
私を誘った張本人がこの人だ。
地元にあるClubは、
駅近くにあるにも関わらず
あんまり有名なとこではなかった。
特に、ギャルなんかは
絶対に近づかない。
ジャンキーやプッシャーが
その場に集まっていたからだろう。
「お。弘樹さんじゃないっすか!!!」
Clubの扉を開けてすぐ、
目が死んだ奴等が声をかける。
先輩とつるんでいるからか、
私も結構有名だった。
…中学生だったからかな。
2階のBarでカズ君につくってもらった
カシオレを持って
フロア近くのテーブルで一服。
メンソ1㎎のノアールしか吸わない私は
多分、メンツの中で1番一途だと思う。