彩斗の家に泊まることが増えた。
家には帰らない。
そんな日が続いて2週間目。
日差しが強い日。
「彩斗ー。ご飯出来たよ?」
「ん…、起きる…。」
リビングには作りたての朝食の匂い。
今日は洋食。
トーストにスクランブルエッグ。
ウィンナーにヨーグルト。
彩斗の好きなシーザーサラダも。
「昨日、遅くまで飲んでたんでしょ。」
「ツレと会ったしな。悪ぃ。」
米神を押さえる彩斗も、
お酒臭い彩斗も、
なんだか少し見慣れてきた。
「ウコンの力、買っといたよ。」
「気ぃ利くな。サンキュ。」
ニコリと笑う彩斗。
こんな日常会話も、当たり前になっていた。
「今日どうすんの?学校。」
「昨日休んだし、行くわー。」
朝食を食べ終え、
制服に着替える。
「やっぱ俺、千恵の制服姿好き。」
「変な気起こさないでよね。」
「起こすか、バーカ!」
アイロンで髪を直す私の隣で
彩斗は歯磨き。
何だろうね?
同棲し始めとか、新婚とか、
そんな喜びを感じた気がした