さっきまでついていた
お笑いLIVEのDVDは
いつの間にか終わっていて、TVが真っ黒。
そんな画面、寂しくなるだけだから
DVDを取り出して
TVのチャンネルを無駄にいじる。
1から12までの数字を
何回も、何回も、往復した。
「何やってんの?」
5回目の往復を終えたときだったかな。
寝室から彩斗が顔を出した。
「んー…、つまんない。」
「飯、食いに行く?」
キッチンと私を交互に見て、苦笑い。
散らかったままのキッチン。
…やっちゃったな。
「いいの!?」
「何が?」
「だって、一緒に外食とか
初めてだし…さ。」
ソファに座って、グラスの中の
少しぬるくなったオレンジジュースを
飲み干した。
「別にまずいことなんかねぇよ。
普段食えねぇもん、食わせてやる。」
私の頭に手を置いて、
鼻でフッと笑う。
…憎たらしい