亜美ちゃんの言動や行動は
少しずつ変化し始めたのです。


始めは彩斗も、周りの人間も、
ヤンキーとつるんでるからだ。と
そんなに気にはしていませんでした。

でも、決定的だったのが目つきの違い。

彼女の目は薬をやっている人の目。
死んだ人間の目になっていたのです。

それに気がついたのは、彩斗。

優しくて可愛かった亜美ちゃんは、
そこにはもう居ませんでした。


「何があったんだ?」

そう聞く彩斗を目の前に、
シャブをやりながら亜美ちゃんは一言。

「アンタが悪いんだよ」

薬を誘ったのは
薬を強制してたのは

―弘樹先輩の父親でした。


彩斗は何度も止めようとし、
亜美ちゃんを守ろうと必死。

でも薬漬けになった亜美ちゃんは…
シャブに手を出した亜美ちゃんは、
もう、後戻り出来ないほどに陥っており
彩斗は泣く泣く彼女の手を離しました。


別れを決意した2週間後

パニックを起こした亜美ちゃんは、
よっぽど綺麗に見えたのでしょう。

最終電車の明かりに向かい、
笑顔で飛び込んでいきました。


彩斗には亜美ちゃんを守ることが
出来ませんでした。