彩斗と付き合って1ヶ月が過ぎた。

学校にはまだ、
ちゃんと行っていた。


「遅ぇよ。」

学校帰り、制服のまま
誰にも見つからない細道で彩斗のお迎え。

「私が悪いんじゃないもん。
先生の話、長いだけ。」

「バックレとけよ。」

「そんなに悪い子じゃないし!!!」

「髪、染めてんのに?」

最近、私は
彩斗好みの髪色、髪型にした。

ショートカットに
ブラウンアッシュの髪色。

「彩斗が染めさせたんじゃん。」

「そうでしたー。」

外とか、人の目とか、
そんなの関係なく唇を重ねた。


改造されたBMWは、
日に日に凄さを増していく。

「勿体無い」って言ってるんだけど
「貧乏性」って言い返される。

…ほんと、口が達者


「あー、今日さ?
俺ん家じゃねぇけどいい?」

彩斗が好きな
洋楽のHip-Hopが
うるさいくらいに流れる車内。

「ほぇ?ん、いいけど…
珍しいね。初めてじゃない?」

「あ?んー、そうか?」

「彩斗の家以外で一緒に居たこと
1回も無いよ。マジで。」

片手運転の彩斗の
空いた左手をギュッと握った。