私の目の前に座る、
サングラスを掛けた男。

白っぽい金髪に、
黒のメッシュを入れた
独特な髪色をした彼。

格好はお兄系だった。

なんだかその存在が気になって、
観察していると

「何?」

サングラスの中の見えない目が
私を睨んだ気がした。


「いや、何でもないけど。」

「だったら見んな。」

細く整えられた眉と眉の間に
何本かのシワが寄る。

「卑怯じゃない?
こっちの目、見えてんのに
アンタの目は見えないのって。」

「ウゼェ。」

「顔がキモ過ぎて、見せられないんだ?」

今じゃこの頃の勇気が
物凄く、羨ましいよ…。

彼は私の発言に
相当イラついたのか。
…それとも、根は素直な奴なのか。
サングラスを机にポンッと置いた。


「・・・。」

「んだよ。キモくて悪かったな。」

違う。
…見とれたんだ。

少女漫画に出てきそうな彼の顔は、
本当に綺麗だった。