「こんのお嬢様があ〜〜今のがメインだ、メイン!庶民はこれで終わりだあ〜!」
蓮山は腕でユリ子の顔を胸に引き寄せ、締め付け、さらに頭を拳でグリグリ捻った。
「きゃあっ。やめてーーっ」
ユリ子は笑った。
お嬢様って言われても嫌な感じがしなかった。
今まで誰にもこんなことされたことがない。
みんな他人行儀で、ユリ子の機嫌ばかりを取ろうとする。
みんな、ユリ子が持っている富みと名誉しかみていない。
ユリ子は、急に、自分が汗くさいんじゃないかと気になった。
「あの、!」
ユリ子が蓮山へ顔を向けると、真っ暗だった。
唇になにかあたった。