「お腹すいた?」

「はい!あ、」
あまりに元気よく答えたユリ子は恥ずかしそうに俯く。


「じゃあ飯にすっか」

ユリ子は麦茶の入ったコップを口につけた。

ふたりきり。

夜道は誰もいなかったけれど、全然違う。


台所がないのに、どうやって作るんだろう。




蓮山はゴクリとビールを喉に押し込む。


「よっしゃ、作るとしますか!」


ビール、呑むと気合い入るんだ。

ユリ子はコップを持ったまま、蓮山をみていた。




蓮山はケトルのボタンを押して沸かしたお湯。

次に、
ガサゴソと蓮山が段ボールから取り出したものは、


「じゃーん」



「カップ麺!即席ラーメンね!」

ユリ子は目を輝かせている。


「カップ麺でそんなに嬉しそうな顔をするなんて・・・・・・貧乏人か!」

お嬢様と貧乏人は案外似ているのかも。

なんて思わせる。






3分後、ディナーができた。