蓮山の家はプレハブで、
家と言うより小屋。
倉庫みたいだった。
「お邪魔しまーす」
入ってすぐの玄関の前に扉があり、
右側に部屋があった。
目の前の部屋は蓮山が衣装部屋だと言って、見せてはくれなかった。
ユリ子は右側の部屋へ案内された。
部屋は十畳くらいの広さ。
一目で見渡せる正方形だ。
統一感のある部屋。
一見グチャグチャに並んであるようにみえる小物も、規則性がある。
ペットボトルのおまけが並んでる。
ユリ子が以前、椎名に頼んで買ってきてもらったことがあった。
並べるのも有りなのね。
ユリ子はもう20個くらい買いたそうと思った。
蓮山の生活感漂う部屋。
「そこに座って」
椅子らしいものがない部屋にある、
唯一小さな椅子。
「はい」
蓮山は冷蔵庫から麦茶と缶ビールを取り出した。