「弘人!」

大声で名前を呼ぶミンクは、手を振って弘人を招く。

ミンクは弘人の気持ちを知らない。


「よぉ」
弘人は友だちを装う。
ミンクは弘人だけに届く距離になると喋った。

「私、今日さぁ、腹痛くて下からのが止まんないんだよね」

「うわっお前女なんだからそんなこと言うなよ」


「えへへ。弘人にならなんでも言えちゃうんだな」


ミンクは照れながら弘人に笑かける。

「バーガ」

弘人はミンクの視界を遮るように頭をガシッと掴む。

「んあーっなにすんのよ」


騒ぐミンクの声に紛れて、弘人は呟いた。

「・・・・・・お前がそんなかわいい顔するからだろ」