* 弘人は少し静かな外れで、重なったタイヤに座っていた。 立ち込めるゴムのにおい。 弘人はここからふたりの様子を見ていた。 蓮山を見つめるミンクの表情が弘人をひどく傷つける。 弘人はミンクに想いを寄せていた。 弘人は蓮山が好みなら、ミンクが自分に靡(なび)かない理由がよくわかる。 蓮山がどこかへ行くのを確かめてから、弘人はミンクの元へと向かった。