『全く。

むかつくやつ。』

「なっ!

むかつくですって

あんたの方がムカつくのよ!!」

『お前の方がムカつくんだよ。』

『お前ら?

いいかげ……』

『「あんたは黙ってて」』
二人揃って燐に言った。

『えっ』

「燐君ごめんね。」

『いや大丈夫。』

「私!この二人のどちらかと結婚するなら燐君がいい。」

『俺だってお前とは嫌。』
「うわっ!うざっ。」

『俺はお前の方がうざい。』

何なのよこいつ!!

マジうざい。

燐君の方がよっぽどいいわ。

でもキスされたし。

どっちがいいかわからん。
あっという間に家に着いた。


あれからの車の中はすごい沈黙だった。息が出来ない程。



その沈黙からやっと抜け出せた。


『お嬢様。お嬢様。』

「何?」


メイドが私を呼んできた。
『お母様が呼んでいます。
それと婚約者の二人も一緒に。

との事です。』

「わかった。

でもあいつら苦手。」

『我慢してください。

お嬢様。』

「分かってる。」