◇葉凪◇

あれから私は中庭に行ってない。


行けない……気まずすぎるもん。

昼休みも放課後も友達と過ごしていた。




でも、

みんなとは同じクラス。


見れば必ず目が合うし。

「はぁあ…」


ため息しか出ないよぉ…。

「どーした葉凪、何か悩んでんの?」

「何でもないよ…」


私の一番の親友、美優―ミユ―。

可愛くて大人な人気者…裏表あり。




「あ、ねぇねぇ!葉凪ってさ、霧野君と友達なの?」

「利琥…?うん、まぁ」

「私さぁ、結構好きなんだよね…霧野君のこと」


「……え」

なんでだろう、その時…胸がチクンと痛んだ。



「だからさっ!協力してよ、葉凪!」

「きょ…協力?」


「うん、葉凪っていつも昼休みに中庭で霧野君と会ってるでしょ?」


な…なんで知ってるの…。



「今日の昼休み、私も一緒に中庭行く!ね、いいでしょ?」

ざわざわと胸が騒ぐ。



「うん、もちろん」


そう言ったけど…本当は……。