祐樹は私の顎をクイッと持ち上げる。
一気に顔が近くなり、かあっと熱くなる。
「ゆ、祐樹…っ」
「葉凪……好きだよ」
え…、
「その上目遣い、誘ってるんでしょ?」
思考が停止し、固まってる私の頭を片手で固定し、そのまま……。
「ゆ、……んんっ」
みんなが見てる前で熱い口付け。
さっきまでの祐樹とはまるで別人で、手慣れたように強く、唇を押し付けてくる。
私は祐樹の胸をドンドン叩く。
息が…っ、苦しい。
「祐樹」
後ろから悪魔のような声が聞こえた。
祐樹はそれに反応し、ゆっくりと私から離れた。
声の主は、利琥。
凄まじいオーラを放って、私たちを睨みつけている。
しかもそのまま祐樹に近付く。
「利琥…っ」
呼び止めてるも、とき既に遅し。
「てめぇ、何してんのまじで?」
祐樹の胸倉を掴み、低い声で言う。
「っ、ごめん利琥」
「謝ればいいってもんじゃねぇだろ!!」
「ちょっと止めて!離してよ!!」
祐樹は苦しそうに顔を歪めている。
利琥は不機嫌な顔をしたまま、祐樹を解放した。
「ごめんなさい…」
……祐樹。