アイスと珈琲だけだったので、今日は迷わず買うことが出来た。


「ただいまー」

「おかえりー」



「はい、珈琲!冷たいから安心してっ」

「ありがとう。今日は失敗しなかったみたいだね」

「私も学習してますからっ」


「ははっ、えらいえらい」



潤は私から珈琲を受け取り、ついでに優しく頭を撫でてくれた。

っ、ドキドキします…。



私は、はにかみながら立ち上がり、袋の中からアイスを取り出した。





「はい、祐樹……きゃっ!?」

…お約束ってやつですか。


私は、何にもないとこで、そして大袈裟に転んだ。

そのまま手を伸ばしていた祐樹の胸に落ちる。



「わっ…と…大丈夫、葉凪?」


超恥ずかしい…穴があったら入りたい…っ

「あ…あはは、ごめん祐樹…痛くなかった?」



私は慌てて祐樹から離れる。



―――グイッ


「え…っ」



思いっ切り引っ張られ、再び祐樹の胸の中へ。


「葉凪」


今までとは明らかに違う祐樹の低い声。

思わずドキンとしてしまう。



「……っ祐樹」