◇葉凪◇

あれから数日後、香から電話が掛かってきた。


電話口で香は泣いていて、『二度とこんなまねしない、反省してる』と言っていた。

私は静かに頷いて、これからも友達でいると約束した。


香は…いい子だから、私は友達でいたい。







「葉凪ー、アイス食べたいっ」


「葉凪、珈琲飲みたい」

「了解ーっ」


相変わらず私のパシリは続く。


…でも、この関係は嫌じゃない。




「利琥と哉弥は?」


「甘い物…つか、お前」

……はい?




「んー同じく!」


満面の笑みで、両手を広げる哉弥。

その横で獲物を狙うような目で私を見る利琥。


……変態二人組。






「いいよ葉凪、気にしないで」


「早く行っておいで」



「あ、はーいっ」

祐樹と潤に促され、私はアイスと珈琲を買いに行った。