足に力が入らず、その場に倒れこむ。
「大丈夫!?しっかりして…っ」
遠くで葉凪の声がする。
今にも泣きそうで、震えた声。
「……雑魚が、調子乗ってんじゃねぇよ!!」
くそ…っ
頭を押さえながら、顔を上げると、葉凪が俺を庇うように立ち尽くしていた。
「やめろ葉凪……どけ…っ」
「どかない!私が利琥を守るんだから!」
ふざけんな…、
お前が怪我でもしたら……俺は…っ
好きな女ひとり守れなくなっちまう…っ!!
「……っ」
俺は渾身の力で立ち上がり、葉凪を庇った。
痛みが増し、頭の中から軋むような音が聞こえた気がする。
「利琥!?どうして庇って…っ!!」
「んなの、決まってんだろ。お前が……
…好きだからだ」
ほぼ無意識だった。
気が付いたら、気持ちが抑えきれなくなっていた。