◆利琥◆


重い扉を開けると、大勢の男。


…と、葉凪。




「みんなっ…!?」


葉凪は俺らに気付くと、目を見開いて声を上げた。

無事だったことに安堵感を覚えたと同時に、ふつふつと怒りが込み上げてくる。



「てめぇら、俺たちの仲間に何してんだよ!!」



そう叫ぶと、俺らは一気に走り出す。



「葉凪っ!!」

「……利琥、っ」


優しく触れる。

見たところ、大きな怪我はしてないみたいだ。



「お前っ…何かされたのか!?」

「ううん、大丈夫だよ!助けてくれてありがとう」


葉凪は柔らかく笑う。

肩を震わしながら大丈夫と言う葉凪を見て、思わず抱き締める。




「え……?」

戸惑いの声を上げるが、拒否はしない。



言って、しまいたい。



「葉凪…俺、お前の事……「こそこそしてんじゃねぇよ!!!!!」


瞬間、後頭部に鋭い痛みが走った。



「利琥っ!!」

「……っ…」