香が落ち着きを取り戻すのを待ってから、私たちは倉庫を出た。


香は両親に全てを話し、これからのことを決めると言った。

男たちもやりすぎたと反省して、香と帰って行った。


月の光に照らされた、利琥たちの姿を見る。


みんな結構傷だらけで、繭も血を流していた。



「…みんな大丈夫?…ごめんね、私のせいで……」


「別にこんなの平気だよーっ」

「そうそう、気にすんなって」



「…無事でよかった」

利琥の声に、異常に反応してしまう。


「あ、ありがとう」



切れた唇を舐めながら、利琥は私を見た。




「つかお前、返事は?」

「へっ?」

…やっぱり聞かれた!




「…まぁいいや、今は。今度、改めてするから」

「え?…あ、はい」


私の反応に気付いたのか、利琥はそう言ってふいと目を逸らした。

とりあえずは…返事しなくていいみたい。




「葉凪ー怖かったよぉ」

繭が泣き顔で私に抱きつく。


…繭、めちゃめちゃ楽しそうだったけど?



「繭ありがとう…血、大丈夫?」

「全然平気!楽しかったからいいよっ」


本音出たけど。



「とりあえず帰ろうぜ、疲れた」

「あ、そうだねっ」


私はみんなを支えながら綺麗な満月を見ていた。