利琥は苦しそうに床に倒れこむ。


「大丈夫!?しっかりして…っ」

利琥の頭からは血が出てる。



「……雑魚が、調子乗ってんじゃねぇよ!!」

男はさらに倒れこんでいる利琥を蹴ろうとする。




私が…守らなきゃ。


私は利琥を庇うように、男の目の前に立った。


「やめろ葉凪……どけ…っ」

「どかない!私が利琥を守るんだから!」


私にだって、こんな男ぐらい…―――。

……あれ?



何かこの男、身長高いなー。

それに体格もいいし…。


男は目を血走らせ、浅い呼吸を繰り返している。



―――駄目だ。



やっぱり…怖いっ!!

思わずぎゅっと目を瞑る。



「……っ」


……?

身体のどこにも痛みを感じず、恐る恐る目を開ける。




目の前には大きな背中。

紛れもない、それは利琥だった。


「利琥!?どうして庇って…っ!!」

「んなの、決まってんだろ。お前が……






…好きだからだ」