◆利琥◆


俺は急いで電話に出た。




「誰だよ!!」

『俺、哉弥だけど』


相手は哉弥だった。


「哉弥か…今、祐樹から連絡あったか?」



『連絡?何それ』


流石にまだ伝わってないか…。


『それよりさ、今日暇だからクラブでも―――』

「それどころじゃねぇんだよ!!いいから黙って連絡待ってろ!!!」



つい、声が荒くなる。


それほど…余裕がない証拠。








「利琥ー」


「ひっでぇな利琥、あんな言い方しなくても」

「あぁ…悪ぃ」



祐樹達と合流してから、すでに何時間経っているのだろうか。



葉凪は電話に出ない。


一人になるなとは言ったが…状況は分からない。





すでに深夜一時すぎ。



途方に暮れ、家で待機してると、携帯がメールを受信した。









……繭?