「いいからさっさとこい!!」
既に三発目の暴行を受けた私は、素直に従うしかなかった。
着いたのは暗闇に佇む古い倉庫。
「連れてきたぜ」
倉庫の中には香と男が数人。
薄暗い空間の中、照明によって香の顔が妖しく照らし出されている。
「こんばんわ、葉凪。来てくれてありがとう」
「…香、どうしてこんな―――」
「煩い!!耳障りだから喋んなよ」
香は鬼のような形相で私を睨みつけている。
どうして…
私にはさっぱり理解できなかった。
私がどうしてここにいるのかも
香がどうしてこんな姿なのかも
「あんたがいけないのよ…あんたが優勝するから」
…優勝?
瞬間、繭が言っていた事件が頭を過った。
そして、私は全てを悟った。
「美少女コンテスト事件の犯人…香だったんだね」
「うん、やっと気付いてくれた?」
香は美少女コンテスト事件の主犯で、優勝した私をこうして襲っている…と。
「私は優勝した奴を必ず襲ってんの。あんただけじゃなくて」
それでも…理解できないことがある。