◇葉凪◇



「ん…、誰だろう」


既に繭は寝息を立てている。


私は布団から起き上がって、携帯を見た。


相手は…香。


え…香!?


思わず眠気もぶっ飛び、私は目を見開いた。


―――――――――――――――

夜遅くごめんね!!

ちょっと相談があって…、今から出てこれる?

繭ちゃんの家にいるの知ってるから。

とにかく家、出て来てくれる?

本当ごめんね

――――――-――――――――



……今から、出て来い?

ていうか香、何で私が繭の家にいるの知ってるの…?


そもそも繭の存在を知ってるの?



とにかく、行かなきゃっ…。



「ん…葉凪、どうしたの?」


「あ、ごめん起こしちゃった?ちょっと、出てくるね」


「何で……どこ行くの?」



「あ…と、友達の香って子に逢ってくる」

「……分かったぁ」



私は繭を踏まないようにそっと部屋を出た。


玄関を出ると、

「葉凪ちゃんー」

知らない男が話し掛けてきた。