◆利琥◆

…まさか、


「優勝者は…No,5!風雅 葉凪さんです!!!」


本当に優勝しちまうとは……。

信じられねぇけど、俺のやる事は決まった。




「…、利琥?」


その場に立ち上がると、葉凪が俺に気付いた。


表情を変えず、しばらく目が合ったまま。



早くなる心臓を抑えながら、俺は舞台に上がる。


俺に浴びせられる視線は、様々だった。



ざわざわと聞こえるのは主に女たちの声。




「…っ!!?」


目を見開いたまま、一歩下がる葉凪。



「り…利琥」


葉凪は恥ずかしそうに俯いたまま、俺を見ない。


頬を赤らめ、唇をぎゅっと噛み締めている。






「…おめでとう、葉凪」

呟くと、葉凪が顔を上げた。


驚きに満ちた表情で、今度はじっと俺を見る。



「…俺が、守るから」



…俺が守る。

誰にも触らせたりしねぇ。