「いきますよ!よーい……スタート!!!」
司会の合図で腕立てがスタートした。
1・2・3……
大きい画面にカウントが表示されていく。
「くっ…くっ…」
私、きっと険しい表情で腕立てをやってると思う。
評価的にはアピールしなきゃいけない時なんだろうけど…。
でも、そんな余裕はなかった。
「く……っ」
会場は既に熱気に包まれていて、額から汗が流れるほどだった。
熱い…腕痛い。
「はぁ…はぁっ……あっ!」
―――ガクン
一人の女の子が倒れた。
同時に失格の音が鳴り響く。
あと…8人。
画面は36を示してる。
私の体力のメーターも限界を示していた。
チラッと隣を見ると繭が笑っていた。
「……っ!?」
「まだまだ余裕だよね?…葉凪!」
繭はキラキラした表情を浮かべ、私を挑発する。
っ……
「当たり前じゃん、負けない…よっ」