◇葉凪◇


「葉凪!……大丈夫?」


この一週間ちょっと、私はメイドをお休みして、準備した。

おかげで繭との仲も深まったと思う。


「緊張する…っ」


さっきから上手に息が出来ていない。



「大丈夫だって!ほら、行こう?」



私はこの為に毎日腕立て50回、これ以上は無理。

服のセンスを高めるために雑誌を隅々まで読破。

死ぬ気で勉強。


できる事は全部やったつもり、……だけど。


「…繭、私さ…大丈夫かな?」

「うん!葉凪可愛いし、努力してきたじゃん?だから大丈夫だって!!」


繭は笑いかけると、私の手を引いて体育館へ向かった。



「わぁ…みんな可愛い…っ」


控え室に集まる出場者たち。

…レベル高い。



震えが止まらない足を何とか止めようとしていると、

「葉凪ーっ!」

「葉凪!」



勢いよく入ってくる祐樹たち。



瞬間、他の女の子がキャアキャアと騒ぎ始める。



「応援に来たよっ、頑張ってね!」

「葉凪なら大丈夫です、見守ってますよ」

「頑張れ葉凪ー!!」



みんなの応援が嬉しくて、つい泣きそうになる。