―――ガタンッ
俺は黙って立ち上がり、教室のドアを開ける。
「ちょ、利琥!…どうしたの」
祐樹が慌てて俺に声をかける。
「あ?腹いてぇから休んでくるわ」
「待ちなさい霧野君!そんな勝手は…っ」
「うるせぇな、痛いっつってんだろ」
殺気を放って担任を黙らせ、そのまま教室を出た。
チラっと後ろを見ると、
「頑張ってねー」
とでも言うように満面の笑みを浮かべた哉弥が手を振っていた。
まぁ、担任はこいつが何とかしてくれるだろう。
……さて、
あいつどこ行ったんだ?
他の教室はあり得ねぇし…この時間に行ける場所をしたら…
どうやら俺の直感は正しいかったらしい。
屋上の重い鉄の扉を開けると、肩をがっくりと下げたあいつが座っていた。
俺に背中を向け、体育座りをしてる葉凪。
……ふ、可愛いな。