「あの…それって断ることとかは…」
すっごい俺に気を遣いながら軽く涙目で聞いてくる。
本当、可愛くて苛めがいありすぎ。
「あ?お前に拒否権はねぇよ。ほら、早くしねぇと昼休み終わっちまうぞ?」
顎で時計を指す。
葉凪はそれを見て、下唇をかみ締めた。
「……行ってきます」
どうやら覚悟を決めたようだ。
読みかけの本を閉じて、立ち上がる葉凪。
「おう、気をつけてなー」
背中から嫌々オーラが出てる葉凪に、にっこり笑って手を振る。
チラッと俺を見た葉凪の目は、完全に嫌なものを見る目だった。
上等上等。
それぐらい反抗的じゃねぇと楽しくねぇからな。